100辞書・辞典一括検索

JLogos

9

竜王山
【りゅうおうざん】


蒲生(がもう)郡日野町と神崎郡永源寺町との境界の山。標高826m。綿向(わたむき)山系の一峰。古来は沼辺(ぬまべ)山・大慈山といわれた。別称雨乞岳・竜王岳。湖東平野を形成する日野川をはじめとする河川の水源地。竜神を祀り,雨乞祈願・信仰が行われたところから名付けられた(輿地志略)。標高500m以上の山地は植林が行われ美林を形成,300m前後は緩やかな傾斜で谷が発達,水田が開かれている。なお史料上では,文永10年の「関白前右大臣近衛忠家家政所下文」に,法成寺領江州蒲生郡西明寺住侶が,甲乙人の濫妨を停止するために申請した西明寺領の四至は,「東限竜王嶽,南限柴曳一瀬,西限草木谷,北限手洗谷」とある(西明寺文書)。西明寺はこの四至内を殺生禁断の地として訴え,政所はこれを安堵した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7135959