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愛宕山
【あたごやま】


京都市右京区の北西部にあり,山城と丹波の国境をなす山。標高924m。山上に火難除けの神である愛宕神社があり,唐の五台山になぞらえた神仏習合の修験道場として民間信仰が厚い。歩行前の幼児を背負って参詣し樒(しきび)を供え祈祷してもらえば,その児は一生火難をまぬがれるという。「愛宕のひじりだに時に従ひては出でずやはありける」(源氏物語)。この愛宕神社はもと愛宕郡鷹ケ峰にあったとも伝えられる。また丹波側では亀岡市千歳町国分にある愛宕神社は元愛宕と称せられ,本殿は一間社流造で鎌倉期の様式を伝え,ここから愛宕山上に移されたと伝えている。山上の愛宕神社は全国各地に散在する愛宕神社の総本社。本朝七高山の1つとしても有名。明智光秀が本能寺攻めの前,勝軍地蔵に祈願をかけたのは神域内の白雲寺であったとも伝えられているが,明治維新のとき同寺は廃された。ケーブルカーが第2次大戦中に撤去されたので,登山には不便となった。山上の北方斜面は冬季にスキー場に利用されている。愛宕山から西北方に続く稜線上に地蔵山(947.6m)・鎌ケ岳(618m)・千歳山(622.3m)・黒尾山(569m)・白岩山(535m)の山々が連なる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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