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有栖川
【ありすがわ】


洛北を流れていた川。京都市北区大北山東方で紙屋川(天神川)から分流し,紫竹を東流,大徳寺門前を経て大宮通を南流,上立売通を東流して堀川に注いでいた(府地誌・愛宕郡史)。幅約2mの小河川で歌枕にもなっている。現在は廃川。「五畿内志」も水源を「北山山中ニ出ツ」としており,「山州名跡志」では「今宮東門ノ東ノ溝ノ流レニシテ」と記す。また,「山州名跡志」「五畿内志」では別称を若狭川としているが,「府地誌」では「若狭川ニ会ッテ堀川ニ入ル」と記しているから,若狭川は支流とも考えられる。斎王の禊ぎ祓に使われたといわれる。凡河内躬恒の歌に「音にきくいつきの宮の有栖川ただ舟岡のわたりなりけり」(夫木抄)がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7136289