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和泉式部産湯の滝
【いずみしきぶうぶゆのたき】


江戸期に見える滝。「丹哥府志」の与謝(よさ)郡九世戸の荘の項に見え,現在の宮津市に所在。滝名は,平安期の歌人和泉式部が丹後国司である夫,藤原保昌とともに丹後に住んでいた時,この滝の近くで産婦を助け無事出産させ,滝の水で生まれた子の産湯を使ったことに由来するという。現在,滝の水は枯れ,一帯は山地が宮津港に迫り,坂道や崖が多い。付近には文見坂・鶏塚をはじめ和泉式部にまつわる伝承を伝える地名が多い。また,丹後名所の1つで謡曲「丹後物狂」の題材となった花松の伝説がある泪ケ磯(涙ケ磯)・身投石などもあり,和泉式部の歌に「ひとり寝る閨のひまより入る月の涙ケ磯に影うかぶらん」がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7136485