100辞書・辞典一括検索

JLogos

14

歌の中山
【うたのなかやま】


京都市東山区,東山三十六峰の中央部にある山。西麓の清水寺音羽の滝から南へ向かい,清閑寺に至る間の山路をいう。山地は古生層からなり,うっそうとした雑木林の山で,楓が多く秋の紅葉時の景観にすぐれる。周囲は歴史的風土特別保存地域に指定される。地名はむかし清閑寺に真燕(しんえん)という若い僧がいたが,ある日の夕方門前にたたずんでいると美しい女性が通りかかった。そこでつい俗念をおこし,とっさに清水への道をたずねたところ,美女は「見るにだにまよふ心のはかなくてまことの道をいかでしるべき」と答えたまま姿を消した。真燕はわが身の未熟さに気づき,その後は修行に専念したという寺伝に由来する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7137083