100辞書・辞典一括検索

JLogos

14

大宮川
【おおみやがわ】


耳敏川の字をあて,「みみとしがわ・みみとがわ」ともいった(地名辞書)。平安京の大宮大路に沿って九条大路まで南流していた川。大内裏の外堀となり,一部は宮城内の用水として用いられたが現在はない。「知顕抄」に「大宮川の水を,一条大宮陽明門の北大垣の内よりながす。是を御溝水(みこうず)とする故に二条より上をば清浄にさはやけく,塵をだにうかべず。さてこの御溝水の末を二条の北郁芳門の南より又大宮にやり出したり。これより下は清めさはやく事なく,あまつさへ大内の朝きよめの塵あくたなど,流れ出てぞありぬべき」とある。したがって二条大路以南は芥川とも呼ばれた。明治末年に鵺(ぬえ)川と呼ばれた小溝があり,大宮川の遺址と伝えられていた(坊目誌)。耳敏川は中古京師内外地図では,大宮大路を二条大路から四条大路まで南流して堀川に合流している。「拾芥抄」に「七瀬のうち」とあり斎王の修祓の地であった。「七瀬」とはほかに,河合・松崎・東滝・大井川・西滝・石影をいった(京羽二重)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7137639