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小倉山
【おぐらやま】


小蔵山・小椋山・雄蔵山などとも書く。京都市右京区の西端にある山。標高283.7m。北麓を嵐山高尾パークウエーが通る。全山鬱蒼たる樹木におおわれ,紅葉時の景観をもって古来有名。比高150m余りの断層崖をもって嵯峨野の西境をなす。南東に長く延びた標高100mほどの尾根は亀山(亀の尾山)と呼ばれる。西・南麓は急斜面で,対峙する松尾山の急斜面との間を保津川が深いV字型の峡谷(保津峡)をなして流れる。山麓一帯は,平安期には「小倉の里」と呼ばれ,俗世を避けた貴人たちの隠棲の地であった。「いつとなく小倉の里に心あれやくれぬといそぐ山のはの月」(後鳥羽院御集),「小倉山西こそ秋と尋れは夕日にまかふみねのもみち葉」(玉吟集)などがある。「小倉百人一首」の「小倉」は藤原定家が当地(厭離庵)で撰集したことによるという。東麓の小倉山二尊院には,平安期以来の貴人・知名人の墓が多数ある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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