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音羽川
【おとわがわ】


京都市街地東北部を流れる川。左京区と滋賀県大津市との境にある比叡山の南西斜面に発し,修学院離宮と林丘寺の間を経て西流し,鴨川合流点付近の高野川へ注ぐ。延長1.2km・流域面積3.5km(^2)。流域は主として花崗岩からなる山地で,中流にはかつて,音羽の滝をはじめ3段の滝があったといわれるが,石材採掘のため削りとられ,現在はそのおもかげをとどめない。壬生忠岑の歌に「比叡の山なる音羽の滝を見てよめる おち滝つたきのみなかみ年つもり老にけらしな黒き筋なく」(古今集)がある。右岸には古くからよく利用された比叡山頂への登山道「雲母坂」が通じる。第2次大戦後は川沿いに急速に山麓近くまで市街化が進んできたが,昭和40年代に鉄砲水に見舞われ大きな被害を出したため河川改修が行われ,山麓から下流は河相が大きく変わった。流域のほとんどが歴史的風土特別保存地域に指定されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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