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笠取山
【かさとりやま】


宇治市北東部の山。現在は断層沿いの東笠取川と西笠取川に画された山地一帯の名称であり,最高点は標高371m。かつては西方の醍醐山をも含めたもっとも広い範囲をさしたものと考えられる。古生層からなり,東側に笠取断層,西側に音羽山断層がある。当山は古くから知られており,「古今集」の「雨ふれど露ももらじと笠取の山はいかでかもみぢ染めけん」という歌をはじめ,「風雅集」などに散見する。当山は古くから西方にある醍醐寺との結びつきが強く,笠取川一帯の谷は長く醍醐寺領であった。東笠取東端の岩間山には醍醐寺の末寺岩間寺がある。また東・西笠取ともに清滝宮(清滝神社)を産土神として奉祀しているが,同社と醍醐寺は神仏習合で密接に結びつく。いずれも笠取山一帯が醍醐の後背地であったことを示している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7138071