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亀山
【かめやま】


亀の尾山・嵯峨ノ山(扶桑京華志)ともいう。京都市右京区西部にある小倉山の南東の尾根。南方に保津川が流れる。名称は,形状が亀の尾に似ていることによる(山州名跡志・都名所図会)。一帯は嵐山(亀山)公園域で,府立公園にも指定された景勝地。山中に亀尾滝という滝があり,「山崩れ渓埋れ,水脈きれて今は絶えてなし」(拾遺都名所図会)という。古くから,王朝貴族の遊興の地であり,南東麓には後嵯峨天皇が造営した亀山殿があり,亀山天皇が院政を執った。また,暦応年間には足利尊氏・直義が夢窓疎石を請じて霊亀山天竜寺を建立。「徒然草」に「亀山院の御地に大井川の水をまかせられんとて大井の土民に仰せて水車を作らせけり」という記述や,「百錬抄」「扶桑略記」に当山で雨乞いをしたとの記録が見えるが,そのほかは不明。「亀のをの山の岩根をとめておつる滝の白玉千世の数かも」(古今集),「かめのをの山のかひある山桜万代ふべきためしとぞみる」(続拾遺集)がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7138777