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瓦坂
【かわらざか】


京都市東山区の今熊野地区にある坂。北方を東海道本線・新幹線の東山隧道が通る。瓦坂は滑石越(すべりいしごえ)へと続いて山科・醍醐に至るもので,かつては醍醐街道が通り(坊目誌),現在は,府道勧修寺今熊野線が通じる。坂名は,瓦造りの職人が付近に居住していたことによるという(地名辞書)。古くから用いられた地名で,12世紀初頭成立の「江談抄」にその名が見え,「源平盛衰記」や「平家物語」にも所見する。それらの記事を総合すれば,法住寺殿(東山区茶屋町にある京都国立博物館南一帯)の東から発していたと考えられる。大正期の東海道本線東山トンネル建設工事などのため,一部経路に変更があった。「山州名跡志」に瓦町から今熊野に至る道路上に土橋がありその付近の坂を日吉(ひよし)坂という,との記事があるが,位置的には瓦坂と同所である。「坊目誌」は日吉坂は御所坂の誤りとする。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7138929