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鞍馬山
【くらまやま】


京都市左京区鞍馬地区にある山。標高512.6m。南東麓には京福鞍馬線の終点鞍馬駅があり,東麓を鞍馬川,西麓を貴船川が流れる。地質は古生層からなり,山稜は北方へ向かって高くなり,花背峠付近の天狗杉が最高点(837.2m)となる。古くは闇(くらぶ)山・暗部(くらぶ)山と呼ばれた。「山城名勝志」に「崑玉集に云う,鞍馬山は闇山也,水は幽陰の物なれば闇といふなり,水の神のまします所故くらまやまといふ」とあって山名の由来を,鞍馬山が高野川・鴨川の水源にあたることと何らかの関係があるとする。中腹には鞍馬寺があり,本堂の背後の山地一帯を奥の院という。鞍馬寺までは,老杉がうっそうと茂る九十九(つづら)折りの参道を通るが,現在ケーブル線が開通して便利になった。途中,鞍馬の火祭りで有名な由岐神社がある。また,不動谷・義経堂・魔王殿などがあり,鞍馬山は大都市近傍にありながら深山幽谷の趣がある。4月18日の花供養,6月20日の竹伐り式,8月1~3日の写絵会がある。源義経にまつわる伝説があり,四季を通じて訪れる観光客が多い。山中は,植物・昆虫・化石が豊富で,京福鞍馬駅から貴船神社に至る山越え道は絶好のハイキングコースとなっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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