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栗田湾
【くんだわん】


宮津市にある湾。栗田半島東部の無双ケ鼻と舞鶴湾口西部の金ケ岬を見通した線より内の入海をさす。海岸は弧状をなす表栗田の湾頭および神崎・由良の海岸のみが砂浜で,多くは海波に浸食された岩石海岸。湾岸には宿野山城・中津山城・高妻山城・小寺山(城山)城など戦国期の城跡をはじめ,無双ケ鼻(夢窓ケ鼻)・機崎・奈具海岸など歴史的地名や景勝地が多い。「宮津日記」の享保6年,宮津城主青山大膳亮領内宮津名主中右衛門が増井孫五右衛門に差し出した証文の記事によれば,栗田湊から播磨高砂浦までの通船が由良川・加古川の水運を通じて可能であった江戸中期の栗田湾活況の様子がうかがえる。ちなみに文久年間湾岸渚村の船数は中船(60~30石)11艘,小舟(30石以下)136艘。現在,湾内ではイワシ・アジ・サバなど回游魚族の定置網による漁獲が盛ん。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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