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嶋田川
【しまだがわ】


平安京の西郊外,現在の京都市右京区を流れていた古代の河川。「続日本後紀」承和9年10月14日条に「左右京職東西悲田院に勅して,並びに料物を給し,嶋田及び鴨河原等の髑髏を焼斂せしむるに,惣て五千五百余頭」とある。また,平安京周辺の葬送ならびに放牧地を葛野(かどの)郡五条荒木西里ほかのところに局限することを規定した,貞観13年閏8月28日付官符(類聚三代格)に「葛野郡嶋田河原,今日以往功を加え耕作して熟地と為す」とある。これらから,嶋田川ははじめ平安京外の葬送地の1つであったこと,また葛野郡を流れ,かつ鴨川と対をなす川としてとらえられる存在であったことがわかる。したがって,嶋田川は御室川(右京区南方で天神川に合流)の旧称であったと考えられる。旧河道は,平安京を中にはさんで鴨川とまったく対称的な位置にあたる双ケ岡(ならびがおか)二の岡の頂上を通る南北線上右京区の蚕の社以南を流れていたと考えられるが,現在京都市南区内(紀伊郡)に島田川という細流がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7140877