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題目山
【だいもくさん】


宮津市街地の西にある山。標高265.3m。元禄16年の御城下絵図に記されている。山名の由来は,南東麓の金引山寄りに南無妙法蓮華経と題目を刻した大岩があることにちなんだものとも考えられる。「丹哥府志」に「府城の西二十町許に在り 金引山の西北なり 府城より見れば五万騎山,金引山,狼烟嶺の三峯鼎峙す……此山烽火台の如し……往古烽火を揚し所なりとかや」とあり,当山は狼煙山にあたるとも考えられ,金引山,南方の五万騎山とともに城下町宮津の西側を防護する城壁の役割を果たしていた。これらの山々は,大江山から普甲山(482m)・権現山(514.7m)と北へ続く,大江山連峰をなし,さらに北には須津峠(156m)をはさんで能野山があり,阿蘇海・天橋立を見下ろす景勝の地。能野山の南麓に吉野神社があり,昔から桜の木が多かったが,嘉吉年間の洪水によってことごとく倒れたあと,細川幽斎によって大和吉野から桜の木が移し植えられたため,俗に桜山ともいう(丹後旧事記・丹哥府志)。大江山連峰の北端に位置する滝上山(370.6m)を狼煙山とする説もある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7141974