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高野川
【たかのがわ】


京都市東北部,敦賀(つるが)街道(国道367号)に沿って流れる川。左京区と滋賀県大津市との境をなす途中越(とちゆうごえ)から発し花折断層に沿って南流し,大原地区を貫流,三千院付近では呂川・律川,京都盆地に達し住宅地化の進む比叡山麓では音羽川・太田川,さらに北西からは岩倉川などを合わせ,河川名を生じた高野地区を経て,左京区田中下柳町で鴨川へと合流。延長19.1km・流域面積67.7km(^2)。この間,通称として上流域を大原川,中流域を八瀬川,下流域を高野川と呼ぶことも多い。水質が染色に適しているため友禅業者が多く,かつては盛んであった。古名の埴(はに)川は,祭器をつくる原料となる赤土がこの川の流域で産したことによる(地名辞書)。「山州名跡志」「山城名勝志」は垣川という字をあて,愛宕(おたぎ)郡賀茂波爾(はに)神社は川名の埴と関係あるものとしている。古来敦賀と京都を結ぶ重要な街道が河川に沿うため,往来も盛んで「京の七口」の1つ大原口が設けられていた。現在も流域には歴史的情趣が豊かなため,観光客が多く,シーズン中はマイカーの規制をよびかけるほどである。流域のほとんどが風致地域に指定されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7142093