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名木川
【なきがわ】


宇治市・久世(くぜ)郡久御山(くみやま)町を流れる川。宇治市南西端の広野町・大久保町から発し,西流して久御山町で古川に合流。延長1.6km。かつては,近鉄京都線大久保駅西北から北北西の方へ流れ,宇治市伊勢田町の北西部で巨椋池に流入していた。山川とも呼ばれた。「万葉集」に柿本人麻呂の歌として「衣手の名木の川辺を春雨にわれ立ち濡ると家思ふらむか」とあるのをはじめとして多く見えるが,現在の名木川をさすかは不明。しかし,この名木川付近が「和名抄」の久世郡那紀郷あるいは「延喜式」所載の内膳司の奈癸園などの所在地であったものとみられ,川名もこれに由来すると考えられる。水源の広野町付近は城陽礫層と呼ばれる丘陵であり,土砂の運搬量が多く,かつて巨椋池に注ぐ河口に典型的な三角洲を形成していた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7143161