100辞書・辞典一括検索

JLogos

11

布引の滝
【ぬのびきのたき】


与謝(よさ)郡伊根町本庄の西,山あいにある滝。高さ約100m。筒川の平野部から約1km西にある標高357.9mの滝山(雲引山・紫雲山・雲滝山)の山頂付近から流れる谷川が筒川の沖積平野に入る途中の岩崖を流れ落ち,「いささか樹木のさえぎるなし,実に銀河九天より落つるに似たり」(丹哥府志)といわれるほど景観はすばらしい。山が浅く滝の水が少ないので,渇水期や夏はかれてしまうが,梅雨期など水量の多い時は文字通り白布を垂らしたように美しく,白煙が立ちのぼる。当地一帯には浦島子の伝説があり,この滝の付近に館があったと伝えられている(丹哥府志・宮津府志)。浦島が竜宮から帰り,玉手箱をあけたとき白煙がそのまま岩をはいのぼって滝になったといい,当滝を浦島の滝・水の江の熊野の滝とも呼ぶ(丹後の史跡)。ほかにも付近に浦島子の遺跡と伝えられる所が多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7143908