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深草山
【ふかくさやま】


京都市伏見区の北方,深草にある山。京都の東山のうち,稲荷山の南にある七面山・二石山など一帯の山々の総称。南方に宝塔寺があり,西方を国鉄奈良線が通る。古い山名で,すでに平安期に見える。「紀伊郡誌」によると地元の住民は当山を御草山と呼んでいたという。御草山の由来は,江戸期,将軍が上洛の折,当山から馬の飼料用の草を調達したとの口碑によるという。和歌にも詠まれており,「空蝉はからをみつつもなぐさめつ深草の山けぶりだにたて」(古今集),「夏くれば深草山のほととぎす鳴く声しげく成りまさるかな」(拾遺集),「深草の山の紅葉にこの秋はなげきの色をそへてこそみれ」(玉葉集)などがある。また,平安期の摂政・関白,藤原基経の墓があったという(大鏡)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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