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普賢寺川
【ふげんじがわ】


京田辺市を南西部から東部へ貫流する川。同町打田(うつた)の集落に源を発し,飯岡(いのおか)付近で木津川に合流。延長9.4km・流域面積12.4km(^2)。川名は天正16年,良弁の開基と伝える普賢寺の寺名による。かつては朱智(すち)川ともいった。当川が形成した河谷を普賢寺谷と称し,この谷に沿って多々羅・普賢寺・水取・天王・高船・打田などの諸集落が立地する。この谷は,仁徳期に百済系の筒木韓人奴理能美(つつきのからびとぬりのみ)や欽明朝に任那の多々良公が移り住んだといわれ(録山城国諸蕃任那・姓氏録左京諸蕃下百済),奴理能美によって当地に蚕飼がはじめられたという。多々羅集落には「日本最初外国蚕飼育旧跡」の碑がたてられているほか,継体天皇の筒城宮の旧地ともいい,普賢寺川が形成した河谷は古代における先進文化地域をなしていた。これは,普賢寺川が河谷交通の重要な交通路を形成したためと考えられる。上流の天王には朱智神社がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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