100辞書・辞典一括検索

JLogos

9

普甲山
【ふこうさん】


普甲嶺・布甲山・千歳嶺ともいう。宮津市,大江山山塊中の山。標高482m。「与謝の大山」の異称をもつ杉山(697m)と大江山(832.5m)の間に位置し,大手川と由良川支流の檜川と宮川の分水界をなす。千歳嶺の呼称は,京極高広が,宮津入部の際に,普甲が不孝・不幸に通じるとして改められたものといわれる。地質は塩基性岩類からなり,冬はスキー場として利用される。西麓には国鉄宮福線の普甲トンネルが完成しており,普甲峠を主要地方道綾部大江宮津線が通る。付近は古くから山陰を辿る重要路の難所にあたり,平安初期に普賢菩薩を本尊とする山嶽道場の普甲寺が開かれ,織田信長の焼き打ちにあうまでは北の高野山と喧伝されるほどであったが,現在は寺屋敷のわずかの集落と普賢堂・弁財天堂のみが残る。「与謝の大山」の比定地には諸説あるが,一説に普甲山をあてるとするものがある(宮津府志)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7144896