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古川
【ふるかわ】


城陽市・宇治市・久世(くぜ)郡久御山(くみやま)町を流れる川。城陽市寺田に発し,富野・寺田・水主からの小河川を合わせ,宇治市の西端を北流し同市安田町より西流,久御山町東一口(ひがしいもあらい)で宇治川に合流。延長12.1km・流域面積54.7km(^2)。古くは巨椋池に注いでいたが干拓後は改修されて現流路となった。明治初期,寺田~向島間を結ぶ古川舟(寺田舟)が就航し,諸荷物を輸送していた。舟の保有数は寺田村4艘,久世村1艘,平川村1艘,上津屋村4艘であった(城陽市史)。次第に陸運の発達により衰退していったと考えられる。なお城陽~宇治間を一直線に北流している古川を「日本書紀」に見られる栗隈大溝址とする説や,条里界線であったとする説がある。支流の大谷川は城陽市北部の大谷山中から発して北西流し平川付近で扇状地をつくり,宇治市大久保町で承水溝となって西流し古川に注ぐ。近年,平川廃寺の調査から現在の流路に改修されたのは5世紀以降と推定される。ほかの支流に注ぐ細流の1つ折居川は,しばしば洪水を起こし大きな被害をもたらした。室町初・中期から江戸期にかけて治水工事が行われたと考えられる。流域にある下居神社は水害防止祈願したものともいう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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