細見谷
【ほそみだに】

長谷ともいった（丹波志）。天田(あまだ)郡三和(みわ)町にある谷。土師(はぜ)川の支流，細見川・西松川流域に位置する。谷一帯は細見川・西松川の水利による水田地帯。付近には打尾谷・狼谷（深山谷）・立岩谷・毘沙門谷などがあり，現在，山林開発が進められている。打尾谷は西松川支流によって形成され，谷奥までは約1.3km。狼谷は細見谷と河谷（兵庫県多紀郡西紀町）の分水嶺となる深山の東北山麓にあり，その谷道は，西紀町桑原に通じる。また，深山には民有林林道開設事業の一環として深山林道が昭和54年３月に開通。立岩谷は，田ノ谷川の支谷で，谷頭浸食が激しく，峡谷状をなし，谷川は立岩川と呼ばれる良水で，下流域の集落に引水され，現在は簡易水道として利用されている。また，毘沙門谷は兵庫県氷上郡春日町に通じる山道もあり，流域は狭小ながらも水田が開け，西松地区の人々に行場と伝えられた祠がある。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7145118