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深泥池
【みどろがいけ】


「みぞろがいけ」ともいい,美度呂池・美曽呂池などとも書く。京都盆地の北東部,京都市北区松ケ崎丘陵の南麓にある池。東西110m・南北450m・周囲約1km。「太平記」に当時は貴族の遊猟の地であったことが記されており,また池水は灌漑用水として使用されてきた。池内には近畿地方の低地には珍しく,浮島が存在し,地名の由来ともなった泥土層は7mにも及ぶ。浮島やその周囲にはミツガシワ・ジュンサイ・ヒメコウホネ・ヒツジグサ・タヌキモ・モウセンゴケなどの珍しい水生植物や食虫植物の群落があり,昭和2年には国天然記念物に指定された。さらに近年の調査結果では新たに北方系のホロムイソウが発見され,花粉分析や放射性炭素による年代測定の結果,氷河期にさかのぼる歴史をもつ池であることが確認され,きわめて貴重な存在であることがわかってきた。しかし近年周辺の開発が著しく,池内の植物も徐々に帰化植物に置換されつつあり,浮島の保護が望まれている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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