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壬生大路
【みぶおおじ】


平安期から見える通り名。平安京左京の東部を南北に走る。道幅は10丈。二条大路で大内裏の美福門に行きあたるところから,美福門大路とも呼ばれ,「掌中歴」の平安京の大小路を列記した個所にも「朱雀坊美匣」と見えている。二条大路以南から三条大路にかけて,壬生大路の東端を神泉苑に接していた。右京や朱雀大路と衰退をともにして,早くから荒廃していたと考えられるが,室町期後半には壬生の名は道路名としてよりもむしろ地域名として人々に印象づけられていたと思われ,「北小路家文書」所収の大永5年4月5日付の文書に「五条殿家領壬生巷所壱段小者,高辻朱雀東頬五条間也」とある。壬生大路と接していないにもかかわらず壬生巷所と呼ばれているのは,その近辺が壬生という地名で人口に膾炙していたからであろう。このように壬生大路は平安京の条坊制が崩壊して以来,中・近世を通じて市街地にはならず,明治以降,市街地の西への拡大によりつくられていった。現在,北は四条通から,南へ延びて国鉄線を越え,さらに国道1号につながる。四条通から北へは二条城まで断続的に続くが,それより北は該当する筋はない。壬生川通ともいう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7145699