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夜久野ケ原
【やくのがはら】


天田(あまだ)郡夜久野(やくの)町の西部から兵庫県朝来(あさご)郡山東町にまたがる台地。宝山(田倉山)の噴火によって流れ出た溶岩流によって形成された玄武岩台地。標高約150~200m。東西約5km・南北約1km。東端は約30mの断崖をなしている。溶岩流の表面は噴出の回数を示す3段の階段状が顕著で高内石として採掘される柱状節理や溶岩が風化した黒色または赤褐色の土壌がみられる。また,西北西から東南東の方向には一連の溶岩丘とみられるドーム状小丘が並び,八十八山(夜久野八十八か所の1つ)・大師山・金比羅山などがある。地名の由来は宝山の噴火で焼ケ野が原になったことによるとする説,薬草が多い野原であることから薬野が訛ったとする説,夜久郷の地頭職夜久氏による説,延喜式に見える前浪駅の駅が転じて夜久になったとする説,など種々の説があるがさだかではない。寛政年間,一道貞心によって湧泉が発見されたことに由来する茶堂付近では弥生土器が出土。また,当地は応仁の乱に,但馬の山名氏と,丹後の細川氏との古戦場でもある(応仁記)。北端部にはスキー場があり,現在,オフシーズンには,町農協直営の放牧地となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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