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湯谷山
【ゆややま】


杣山(そまやま)ともいう(府地誌)。相楽(そうらく)郡和束(わづか)町南西部にある山。標高381.6m。西方を主要地方道木津信楽線と並走して和束川が流れる。一帯は和束山と呼ばれ,湯谷山はその一部。杣山は江戸期,山麓にあった杣田村の別称でもある(山城志)。「山城名勝志」に「大嘗会ニ黒木ヲ以テ是ヲ造ラル此木ヲバ和束山ニテ取ル」の記事が見え,湯谷山の南山麓の木津川岸に立地する木屋の集落で木津川の水運を利用した木材搬出が行われていたことなどから,古来都や寺の造営の時の用材を伐出した「杣山」であったと考えられる。「万葉集」に「宮材(みやぎ)引く泉の杣に立つ民の息ふ時無く恋ひわたるかも」「わご王天知らさむと思はねば凡にそ見ける和豆香そま山」に歌われる「杣」「和豆香そま山」は当地の「杣山」(湯谷山)に比定されるという(万葉山代志考)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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