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吉田山
【よしだやま】


京都市左京区南部の丘。標高102.6m。西麓に京都大学がある。比叡山地から花折断層によって分離された孤立丘陵で,古生層の基盤の上に砂礫層(洪積層)が堆積した地層をなす。一帯は風致地域に指定され,公園化している。古くは神楽岡(かぐらおか)・神楽ケ岡とも称された霊域。山名は西麓に位置する吉田神社に由来する。かつては山地のほとんどが神社の神苑であった。また中世にはしばしば戦場となり,延元元年には足利尊氏の軍勢がこの山に陣をしき南朝方と戦った。南東部は黒谷(くろだに)町と称し,黒谷浄土宗の大本山である金戒(こんかい)光明寺が位置する。現在丘陵は市街地にかこまれ,散策コースも多く,旧制第三高等学校寮歌の碑がある。市内の眺望にもすぐれ,観光客や市民の憩いの場として親しまれている。西麓に竜沢池があり,旱魃の時には雨乞いの神事が行われたという。同池付近の清水(しみず)谷に仏種房という上人が住んでいたという(山州名跡志)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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