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瑠璃渓
【るりけい】


琉璃渓とも書く。船井郡園部町大河内にある渓谷。当地は,園部川が大河内の平地に出る直前に山地の斜面を急激に流下してなる浸食谷。渓谷は延長約4km,急流飛瀑が多く,勝景に富み,府立自然公園に指定されている。渓谷の最上部は標高500mを超え,大河内の平地との落差は200mに達している。地質は古生層に属し,渓谷の最上部には巨大な花崗岩の岩盤が露出している。これを会仙巌という。その下流数百mは水瀑を境として,石英粗面岩の渓谷となり,双竜淵・滞凍泉・滑蚪澗・玉走盤の絶景をなす。渓谷はいったん大河内榎の沖積地によって中絶されるが,名勝鳴瀑を形成する。文政・天保年間頃,園部藩主小出氏がしばしば狩猟に訪れ,この景勝を賞したが,村人は接待の繁を避けるために楓樹を伐採した。明治期,船井郡長三宅武彦は滑(なめら)石を改めて,琉璃渓と名づけ,渓谷沿いに楓桜を植樹し,観光客を迎えるため,玉の屋・珊々閣の2亭を建てた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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