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愛染坂
【あいぜんざか】


大阪市天王寺区下寺町2丁目の芭蕉碑付近から夕陽丘町へ通じる坂。急崖をなす上町台地西側の小浸食谷を利用し,比高約12m。坂の上にある愛染堂から名づけられた。同堂は聖徳太子が勝鬘経を講じた道場といわれる勝鬘院の別名で,本尊に愛染明王を祀るところから呼ばれた。ここにある多宝塔は文禄3年に豊臣秀吉が寄進したもので国重要文化財。毎年6月末日の本尊開帳日は大阪夏祭りの開幕を告げる愛染祭。愛染堂西下の大江神社は神仏混淆時代に毘沙門天を祀り,上之宮・小儀・土塔・河堀・堀越各社とともに四天王寺七宮の1つで乾の社と称した。その舞台から眺める落日の光景は夕陽丘第一とされ,財福授与の毘沙門信仰と坂の両側にあった遊所とが坂道をにぎわした。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7147118