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飛鳥山
【あすかやま】


金剛山地北端の西麓,羽曳野(はびきの)市駒ケ谷付近の山地。河内から二上山の北を大和へ抜ける穴虫(あなむし)越えの山路に当たる。「日本書紀」の履中天皇条に,天皇が皇子の時,難波宮の難を逃れて大和へ向かう途中,飛鳥山に至りて少女に会い,大坂(穴虫越え)は兵がいるから当麻(たいま)道(竹之内越え)を行くよう教えられたとある。河内から大和に抜けるには金剛山地を越さねばならず,二上山の北をまわる穴虫越え(現在近鉄南大阪線が通過)と二上山の南をまわる竹之内越え(現在国道166号が通過)はいずれも古来から重要なルートであった。この2本の道は二上山の西麓までは1本の道で,分岐するあたりが河内飛鳥の地であり,飛鳥川の流れるなだらかな谷あいで,ブドウ畑の続く現在の駒ケ谷から太子町一帯である。上古には,飛鳥山はこの飛鳥の地に連なる山地全体を指したが,しだいにその区域を縮小し,大字飛鳥の東北の山地(現在の鉢伏山一帯か)を指すようになった(全志4)。現在,飛鳥山の名で呼ばれる山地はない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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