粟ケ池
【あわがいけ】

富田林(とんだばやし)市粟ケ池町にある池。面積約８ha。水深３～４ｍ。美具久留御魂神社の一の鳥居の辺りにある。石川左岸の河岸段丘面に位置する石川流域最大の溜池で，典型的な皿池。池の水は石川の上流で取水された井堰水で，池は沈砂機能をもつ。池には６か所の樋があり，約60haの水田を灌漑する。昭和50年に池の一部１haを埋め立てて島をつくり，市民会館が建てられ，景観は大きく変わった。一説に，「日本書紀」仁徳天皇13年条の「冬十月，和珥池を造る」に見える和珥(わに)池は，この粟ケ池のことであるとも伝える（全志４・富田林市誌）。また，「河内名所図会」には，当池について「聖武天皇の御時に掘らせ給ふ」とある。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7147362