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出見の浜
【いでみのはま】


「万葉集」に見える浜名。「万葉集」巻7に「住吉の出見浜の柴な刈りそね娘子らが赤裳の裾の濡れて行かむ見む」と旋頭歌で歌われている。古代の住吉には,出見の浜のほかに粉浜や名児の浜があるが,これらを総称して住吉の浜という。いずれも波の美しさを賞したり,貝拾いに興じる歌で,この歌も明るい海辺に惹かれる心がよく表れている。当浜は「住吉神社の西方にむかしあった住吉浦の一部」といわれる(万葉の旅)。「摂津名所図会大成」に「社説ニ云松原の直路を出て海を見る意なれば今の松原の浜をいふなるべし一名長峡(ながお)の浦といふ」とある。住吉の松原は大鳥居より浜までの馬場の松原で,5丁ばかりの長さである。現在長狭町(住吉区)・長峡橋の地名があり,長狭浦にちなむと思われる。一説に住吉公園の西,住吉大社の高灯籠より西の浜を指すという(大阪府史蹟名勝天然記念物5)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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