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稲荷山
【いなりやま】


瓢箪(ひようたん)山ともいった。北野太融寺(たいゆうじ)町(現北区太融寺町)にあった小丘。保延年間,源融の10代目渡辺伊豆三郎が付近を開墾し,その18代目十郎が稲荷祠を祭り守護神としたのが始まりで地名になったと伝える。「摂津名所図会大成」に「北野にあり不動寺の北の後なり。いにしへ稲荷祠ありて風景の勝地なりしを後世円頓寺といふ日蓮宗の寺院をうつして稲荷を以て鎮守とす。境内に萩多く池に杜若(かきつばた)ありて春秋ともに花の盛りは雅俗うち群れて美景を賞す」とある景勝の地であったが,明治期以降は人家稠密となり好景を失った。稲荷祠は明治42年の大火でも焼け残り「焼けずの稲荷」といわれたが,昭和20年の空襲で焼失。その後再建され,現在は北区梅田1丁目の駅前第一ビル屋上に移し祀られている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7147674