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潮滝
【うしおのたき】


汐滝とも書き,「しおたき」ともいう。大和川水系石川の上流(西条川)にあった滝。「河内名所図会」に「日野村の東にあり。長弐十丈余,岩罅より潮生ず。山川秀麗にして風景愛するの地也」とある。現在の河内長野市日野の汐滝橋の架かる地点に当たるが,滝は現存しない。「全志」5にはすでに滝の消滅が記載されている。石川は汐滝橋付近で深い渓谷を刻んでおり,かつては両岸の岩壁の割れ目から地下水が湧出し渓流に落下していた。日野の古老談によると,子供のころ,地下水が湧出し,地下水に含まれている塩分が塩を吹いたように岩壁に付着していたという。また,天野山の西麓にあたる和泉市善正・福瀬にも同様の現象があり(西国三十三ケ所名所図会),さらに東の天見川に沿っても花崗岩質岩石の割れ目から湧出する炭酸ガス成分に富む鉱泉が点在している(土地分類基本調査)。潮滝も鉱泉の湧出と推定される。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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