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大浜
【おおはま】


堺市の旧堺港南側にあった海岸。現在の堺市大浜北町1~5丁・大浜中町1~3丁・大浜南町1~3丁に当たる地域で,大浜公園がある。大浜の名は,江戸初期から見えるが,当時の海岸線は,現在の位置よりかなり内陸寄りにあった。その後,海岸線は流砂の堆積によって前進し,特に宝永元年の新大和川開削以後,海岸線の急激な変化に伴い,大浜の地名は一時消滅した。大浜の名称が復活するのは明治期に入ってからであるが,かつての大浜とはまったく位置が異なる。当大浜を有名にしたのは,明治12年に造られた大浜公園である。幕末に築かれた砲台の跡地が公園として許可されると,料理旅館などが立ち並び,多くの客でにぎわった。さらに明治36年には第5回内国勧業博覧会の会場となり,水族館・潮湯と呼ばれた浴場など各種の施設がつくられ,いっそうにぎわった。また,府下有数の海水浴場でもあった。しかし現在は沖合いに大規模な埋立地が造成され,往時の面影はまったくない。付近には,それまでの和式灯台である遙明台に代わって,明治10年に造られたわが国最初の木造洋式灯台である旧堺港灯台が復元・保存され,国史跡となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7148204