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片足羽川
【かたしわがわ】


「万葉集」に見える川名。巻9の高橋虫麻呂の長歌に「しな照る片足羽川のさ丹塗の大橋の上ゆ……」とある。大橋の必要性という点から,現河川との比定については,河内国府,のちの河内離宮との関連が問題となる。また,柏原(かしわら)市の堅上・堅下の「かた」の音との関連も考えると,大和川・石川の合流付近を片足羽川と呼んでいたと思われる。近世の「河内名所図会」には「(志紀)郡東界をいふ。……石川の旧名なり」とある。さらに,「柏原町史」は,「かたしわ」は堅し岩の転訛で,柏原の地名の起こりと関連させて本流説をとる。いずれにせよ,宝永年間の付替え工事以前は石川の水勢も強く,合流点から下流の流路は北西に向かっており,いずれが本支流か判別しがたい形で合流していたと思われる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7148527