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上方
【かみがた】


江戸期,江戸に対して京坂地方を呼んだ汎称。上(かみ)とは皇居のある都の尊称で,当初京都を上方といったが,大坂が全国の経済中心地となり,町人文化の花を咲かせるに至って京都・大坂を含む一帯を意味するようになった。上方武士・上方贅六(ぜいろく)・上方文学・上方唄・上方絵・上方狂言・上方落語・上方漫才など,関西の気風や文化などを江戸のそれと対比さすときによく用いられる。しかし,「地方凡例録」には「山城・大和・河内・和泉・摂津,外に近江・播磨・丹波この三国を入れて上方と唱え,五畿内三州という」とあり,やや広く近畿に近い意味に用いている。その他特殊な例では,幕府が三河以西,中国・四国や九州を含めて京都所司代の管轄区域を上方と呼び,あるいは下り米問屋などが中部および近畿の24か国,中国・四国・九州の33か国の計57か国を上方筋と呼んだりしている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7148648