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河底池
【かわぞこいけ】


大阪市天王寺区茶臼山町の天王寺公園内にある池。広さ約1万m(^2)。市内に残る古墳のうち,最も大きな前方後円墳である茶臼山古墳(古墳中期)の南に位置する。当池は同古墳の周濠であったが,北と東の濠が埋め立てられた。河底池とは摂津大夫の任にあった和気清麻呂が桓武天皇の命を受け,延暦7年,荒陵(現茶臼山古墳)の南を開削して東の河内川(現平野川)の水を大阪湾に流そうとしたが,失敗したという「日本後紀」「続日本後紀」の記録に由来する。現在の地形図でも,標高15mの等高線が当池を挾んで相対峙し,河谷の様相を呈している。当池の東方には,天王寺区北河堀町や堀越町,近鉄南大阪線の河堀口(こぼれぐち)駅など先の古記録に関する地名が残る。これらの地名からみると,和気清麻呂の工事計画は,東住吉区桑津1~5丁目付近から河堀口を経て北西に向かい,北河堀町付近で西に方向を転じ,堀越町を経て河底池に至ったものと思われる。また,かつて河底池の西に河道が存在し,イタチ川と称されたが,今日では見られない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7148830