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木津川
【きづがわ】


大阪市西部の淀川の流末における分流の1つ。指定流路延長8.8km。西区で旧淀川の本流であった土佐堀川から分派,西区の中央を南流し,道頓堀川を合わせ,尻無川を分け,さらに南流して海に入る。川名は東岸にあった木津村に由来し,織田信長と石山本願寺との合戦の折,戦場となったとの記録がみられる。江戸期には河口付近での,加賀屋・恩加島などの新田開発に伴い,川は下流へ延びていった。また,木津川は安治川などとともに,諸国からの船の通路としてにぎわった。当時,木津川筋には上荷船の24の浜があったといわれ,これらの浜は諸国の回船と市中の河川を運行した上荷船との中継地であった。幕末には外国船来航に対する不安から,河口付近に砲台が築かれた。明治期になると大阪港の近代化がはかられ,内港化された大正期以降には,木津川と築港を結ぶ木津運河が完成し,沿岸一帯は,鉄鋼・化学・肥料・セメントなどの重化学工業地域として発展した。また,第1次大戦後の造船景気により,木津川河口付近には多くの造船所が立地した。内港化された木津川筋は,比較的大型船が航行するため,架橋が制限され,千本松大橋ができるまでは,大浪橋から下流には橋がなく,対岸との交通は渡し船によって確保されていた。近年,河口の沖に大阪南港の大規模な埋立地が造成された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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