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紀見峠
【きみとうげ】


河内長野市と和歌山県橋本市の境にある峠。標高438m。国道170号が葛城山脈を越える地点に位置する。11世紀中ごろの藤原頼道「高野参詣記」に当峠の名が見える。当峠は高野街道が通過する峠として意義が大きく,慶安元年には,紀州藩によって番所が設置された。高野街道は南海高野線の東側,矢倉脇(やぐらわき)を通っていた。峠の頂上に「高野六里」の道標がある。明治33年に紀和鉄道(現国鉄和歌山線)が奈良―橋本―和歌山を結ぶと,高野巡礼者の当峠通行は激減し,大正4年の大阪高野鉄道(現南海高野線)開通後は,峠集落の宿場機能は完全に失われた。南海電鉄紀見トンネルは大正4年のもので古く,同新紀見トンネルは昭和51年に竣工。また国道170号の紀見トンネルは昭和44年に竣工。現在は宅地化の波が押し寄せ,南海電鉄によって橋本林間田園都市紀見地区として宅地開発が進められようとしている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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