100辞書・辞典一括検索

JLogos

16

日下滝
【くさかのたき】


東大阪市東部の日下町8丁目,大竜寺の南東近くにある滝。生駒(いこま)山西麓を流れる日下(くさか)川(日下渓)にかかる小さな滝で,標高60m付近に位置する。現在,ここには100mほどの距離を隔ててもう1つの滝があり,ともに不動滝と呼ばれている。「摂津名所図会」に「日下村大竜寺より,弐町許,山奥にあり」と見え,さし絵には日下大竜寺の全景図が示されていて,2段に落下するみごとな飛泉が描かれている。「府誌」5には「一山あり観音山と謂ふ,瀑は此に懸れり,……高さ三十尺,幅二尺許,恰,一条の素練を曳くが如し」と見える。また,「中河内郡誌」の大竜寺の条に「寺後に一飛泉懸れり日下滝といふ。高さ二丈許り,水勢甚だ弱し」とある。以上の3書の間には,かつて名勝として知られた当滝の位置や景観の記述にかなりのちがいが見られる。時代の流れとともに地形が変わり,滝の位置や形状も大きく変化したのかもしれない。2つの滝のうち,史書にいう滝を,下手の大竜寺南東200mの滝に当て,現在の不動光岩教会屋敷内の落差4~5mの小滝だとする説がある。もう1つの滝は,この上手100mの小社の境内にある落差2mほどの小滝であるが,これを日下滝とするには寺からの距離とその規模から不自然なところが多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7149355