正雀川
【しょうじゃくがわ】

正尺川とも書く。安威(あい)川の支流。指定流路延長3.48km。千里丘陵から淀川低地へ南東流する。吹田(すいた)市山田下字下正尺に水源を発し，市場池の南西端から直線流路をとって阪急京都線正雀駅のホーム中央を貫流，安威川右岸に注ぐ。もともと当川は市場池付近で東方を流れる山田川に合流していたと推測されるが，この直線流路を北に延長すると，吹田市内の延喜式内社，伊射奈岐神社に突き当たることや，条里地割りの南北条里線と合致することから，条里制施行時，人為的に河道を直線的に固定したと考えられる（摂津市史）。直線流路部は現在でも摂津市と吹田市との境界になっている。なお，上流部右岸の吹田市小路には吉志部神社が鎮座し，その北には国史跡の吉志部瓦窯跡があり，付近から瓦や須恵器が出土する。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7150478