100辞書・辞典一括検索

JLogos

17

聖天山
【しょうてんやま】


上町台地西端にある小丘陵。標高15m。現在,聖天山公園(阿倍野区松虫通3丁目)となっている。北と南は西に向かう開析谷が走る。陸地測量部による大正10年の1万分の1地形図には,同地に北天狗塚の記載がある。また,この付近には帝塚山古墳(住吉区)や,最近まで残っていた小帝塚・柘榴(ざくろ)塚などが位置し,この地には聖天山古墳がある。この小丘頂上の西端には海照山正円寺があり,「天下茶屋の聖天さん」といわれている。この寺は,京都の東寺の末院であり,天慶2年に光道和尚により約500m東に建立された般若山阿倍野寺を起源とする。この寺の表参道の西に「茲覚大師御作聖歓喜天」と刻まれた石標があるが,この石標の台石は柘榴塚の遺物で,兼好法師の藁打(わらうち)石だとする伝承がある。また,山の北側,丸山通付近には,かつて兼好法師が居を営んだという伝説があり,正円寺の「扇の庭」に吉田兼好法師隠棲庵址という石碑が残る。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7150493