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親王池
【しんのういけ】


棒池ともいう。松原市松ケ丘1丁目にある灌漑用溜池稚児(ちごが)池の旧称。面積1.8ha・灌漑面積9ha。かつて約5haの大池であったが,昭和48年に西側3分の2が埋め立てられてゴルフ場となり,周囲も宅地化し,以前の大池の景観は失われた。羽曳野(はびきの)市野の大座間池から松原市阿保4丁目の海泉池まで北西方向に列状に連なる溜池群は,羽曳野丘陵から北に延びる洪積台地がわずかに開析されてできた低地を順次せき止めてつくられたものである。当池はその末端部に位置し,形状は皿池に近い。この地は長尾街道に面し,平城天皇の第1皇子阿保親王の殿舎のあった所で,当池はその庭内にあったと伝えられている(河内名所図会)。また,親王の後裔にあたる稚児が,ゆえあってこの池に入水,人々はこれをあわれみ,池の中に塔婆を建てて供養し,以来この池を稚児池,あるいは塔婆の立つことから棒池と呼びならわすようになったとの伝承がある(全志4)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7150700