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辻子谷
【ずしだに】


東大阪市東部の上石切町2丁目にある谷。生駒山の西斜面を刻む必従谷の1つで,北の日下南谷と南の額田谷の中間に位置し,金剛生駒国定公園の一角を占める。東大阪市の七渓流の1つ音川の上流部に当たる。谷沿いに大阪と奈良を結ぶ辻子越えの道がある。谷を登りつめたところに鷲尾山興法寺があり,一部に石畳が残る。近鉄奈良線石切駅付近から上手へ1kmほどの間は狭い谷筋に人家が続き,ここは江戸期から急流を利用した水車集落として知られてきた。当時から水車を利用した薬種・胡粉などの粉末加工が盛んに行われ,のち枚岡(ひらおか)の伸線業の発展へとつながっていった。現在,漢方薬の粉末製造などは電力で行われている。最後まで残っていた駅南西近くの水車も昭和55年末に姿を消した。谷筋は生駒山頂へのハイキング道としてよく利用される。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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