千里川
【せんりがわ】

「ちさとがわ」ともいい，猪名(いな)川の支流。指定流路延長10.7km。勝尾寺南部の山々を水源として山谷をうがつ流れは芋(いも)川となり，箕面(みのお)市白島に出てここから千里川となる。船場繊維卸商団地の北部で旧西国街道・新御堂筋線を横切り，稲で鍋田川を合わせ，千里山丘陵の北端を迂回しながら南西流し，豊中市の北部を南流して大阪国際空港南端の原田地区で猪名川に合流する。流域は古代の駅家郷・余戸郷（豊中市）や近世の桜井谷の村々にあたり，当川はこれらの地域の重要な用水源であったが，流域が狭隘であるため寡雨期にはほとんど干上がってしまい，流域諸村の間でしばしば用水争論が起った。下流域左岸一帯は，大正３年に阪急電鉄により豊中住宅地（豊中市本通町一帯）が開かれて以来，宅地化が急速に進み，いまやベッドタウン豊中市の中心地となっている。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7150968