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高石池
【たかいしいけ】


高石市内にかつて存在した池。「五畿内志」は旧高石村の万池であるとするが,その規模・所在地については明らかでない。当池の初見は,「日本書紀」垂仁天皇35年条に「秋九月に,五十瓊敷(いにしきの)命を河内国に遣して高石池・茅渟(ちぬ)池を作らしむ」とあり,「古事記」の垂仁天皇の条にも「次に印色入日子命は血沼池を作り,又狭山池を作り,又日下の高津池を作りたまひき」とある。この「古事記」の「高津池」は,通釈では高師池の誤りであり,「日本書紀」の「高石池」と同じものであるとされている。また,「泉州志」によると,旧和泉郡信太郷にあった取石(とろし)池のことを指すとしているが,取石という地名については,「続日本紀」聖武天皇神亀元年10月の記事に「行還て和泉国取石の頓宮に至る」とあり,さらに「万葉集」巻10には,「いもが手を取石の池のなみのまゆ鳥の音けに鳴く秋すぎぬらし」とあって,高石とは区別されていたようである。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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