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竜田峠
【たつたとうげ】


柏原(かしわら)市東部の竜田山付近にあったとされる古代の峠。古来,河内と大和とを結ぶ竜田越えの道筋に当たり,奈良期には平城京と難波京との行幸路として重きをなした。その位置は詳らかでなく,地形図やその他の地図にも峠名の記載はない。なお,竜田山そのものについても詳らかでなく,「地名辞書」に「三郷村の西なる嶺を云ふ。信貴山の南に接し,河内堅上村に跨る山なり。而も一峰の名つくべきなし」と見える。この山ならびに竜田越えの道筋について考証しているのが「竜田越」で,同書によれば,竜田山の主峰は雁多尾畑(かりんどおばた)の北500mの標高312.9mの高地で,これが「ござ峰」(御座峰・降座峰)だという。同峰の東に現在はバス道となっている南北に通じる稜線道があり,竜田越えの道はこれを東西に越える意である。この道筋には北路・中路・南路の3路があったという。それらは本堂から雁多尾畑さらに南の青谷の各集落に至る稜線上を通過すると指摘している。問題の峠はそれらの道筋にあったことになるが,なお論議の余地があろう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7151289