千早川
【ちはやがわ】

石川の支流。指定流路延長13.6km。金剛山地西麓の南河内郡千早赤阪村千早の東南，千早峠付近に発し，同村東阪を経て北西流し，やがて北に流れを転じて千早赤阪村森屋付近で右岸に水越川を合わせ，南河内郡河南(かなん)町を流れたのち富田林(とんだばやし)市に入り，同市南大伴を経て同市楠町と河南町一須賀との境付近で石川に合流する。昭和41年までは，水越川との合流点から下流の部分は東条川と呼ばれていた。東条は旧郡名に由来する。森屋付近から下流の沿岸には，かなりの面積にわたって中位段丘面が分布し，当川はこの面を刻んで流下している。段丘面は河南台地とも呼ばれ，条里地割が広く分布し，河南町芹生谷には金山古墳がある。流域一帯はかつて楠木氏の本拠で，関係の史跡が多い。また，上流の千早は金剛山への登山口となっており，清流を利用して鱒釣場なども開設され，高野豆腐の生産も行われている。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7151481